「速く泳ぐ」ためにスイマーが普通行うのは、
- もっとがんばって練習する
- 体力をつける
の2つです。これから筋力も体力も増える中高生や大学生であれば根性を入れて上記2つを行えばよいのですが、筋力も体力も年々衰える大人が同じように練習しても速度の向上には限界があります。またかつてハードな練習をしたことのないスイマーがコーチの指導なしにパドルを使ったり、毎日数千メートルも泳げば、怪我の少ない水泳でも怪我をするリスクが高くなります。
それではTIスイムではどのようなアプローチで「速く泳ぐ」ことを実現するのでしょうか。それは次のようなシンプルなものです。
- 速度の底上げ
- ピーク速度の持続
1.速度の底上げ
人間は常に同じスピードで泳いでいるのではなく、ストロークの中で速いときと遅いときがあります。最も速いとき、それは自分が進んでいると感じるときで、多くの人は手でかいているとき(平泳ぎではキックしているとき)と答えるでしょう。
それでは最も遅いときはいつでしょうか。答えは「呼吸しているとき」または「手が水上を動いているとき(リカバリー)」(クロール、バタフライ、背泳ぎ)「足の引きつけ動作」(平泳ぎ)です。リカバリーについていえば、手を水から出すことで、浮力がその分失われます。また呼吸をすることで、頭が上がり水の抵抗を受けます。このように速度を落とす原因が呼吸しているときにはたくさんあります。
速く泳ぐためには、この遅く泳いでいる間を短くする、あるいは底上げすることが必要です。遅くなる原因は抵抗にあるので、呼吸しているときやリカバリーのときに抵抗の少ない姿勢にします。またリカバリーのスピードを上げることで、遅く泳いでいる間の速度を速くします。実際速く泳ぐ人ほど、速いときと遅いときの落差が少ないのです。この落差はエネルギーの消費に直結するので、速く泳ぐ人ほどエネルギーを使わないことになります。
ワークショップでは基本的なドリルをいくつか実践しながら、抵抗の少ない姿勢を作り出すことで速度の底上げの基礎を作ります。次にストローク数をカウントしながら泳ぐギアリングの練習、およびタイムを計測し合算するスイミングゴルフの練習を行うことにより、速度の底上げのために必要なフォーカルポイントを決定していきます。
2.ピーク速度の持続
オリンピックの決勝に残る選手の体力や筋力、出せるスピードはほとんど変わらないと言われています。それでは何で順位が決まるのでしょうか。それはトップスピードをどれだけ長く維持できるかです。
各選手が出せるエネルギーの総量もそれほど変わらないのであれば、後はいつどのようにエネルギーをセーブするかが、トップスピードを維持できる距離の長さに関わってきます。トップアスリートのリカバリーする手は、いずれもとてもリラックスしています。エネルギーを使うタイミングと量についてメリハリをつけることが、トップスピードを長く維持することにつながるのです。
そこで今回のワークショップでは「メリハリをつけたエネルギー配分」を意識することで、最も効率が良くスピードが出せる「ベストストローク」を身につけます。次にベストストロークを1ストロークずつ増加させることで、効率を維持したままトップスピードの距離を伸ばす練習を行います。またテンポトレーナーを使い、ローテンポで効率を追究したうえでハイテンポに切り替える練習も取り入れます。
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